富山・古楽器-バッハ ロ短調ミサ曲 - 驚異の響き
演奏会のための資金調達をクラウドファンディングでおこなった
目新しい取り組みの古楽器オーケストラのバッハを聴いてきました。
会場に入ってチケットを受け取ると横のモニターにステージが映されていて
かなり小さめの編成であることがわかります。
1970年代にブームになった古楽器演奏が、裾野を広げて富山のような
アジアの地方都市でも楽しめるようになったことは当時から考えると驚きです。
席は2列目が空いていたのでセンターに陣取りました。
演奏が始まると楽器の音色が美しいことに驚かされました。
美しいというか、旋律に音色がピッタリとマッチしていて心地良いのです。
録音で聴く名盤とは、あまりに違うのでバッハが何を書きたかったのか
思い知らされた気分になりました。
音の聞こえ方にもこだわっているようで、合唱もオルガンも、別々の台の上に
乗っていてステージの床上に直接乗っているのは独唱とコントラバスだけなの
で、音の分離が非常に良く聞こえ方も極めてクリアーで明瞭なことに非常に驚か
されました。
また、オーケストラの配置と配列も素晴らしく、左手からティンパニとトラン
ペットの旋律が流れて来る様は
レンブラントライトの絵画を見てるような錯覚に囚われる美しさです。
また、ベーレンライターの青いスコアブックはシャガールを彷彿させる青さで目
に迫ってきます。
独唱になると、独唱者は合唱の中から現れて来るので、何か天上から登場した気
持ちにさせられます。
そして、謳い出すと新たな、そして一番の驚きであることがおきました。
低弦の音が旋律の中央から突き刺さるように聴こえてくるのです。
しかも、チェロより上方の高さからコントラバスが響いてくるのです。
ものすごい緊張感で音楽全体が迫ってきます。
独唱者の内側から低音がシャープに聞こえてくるのは、圧倒的で緊張させられま
す。
あまりの驚きで演奏中に配置を書き留めたので下に掲載します。
間違い等があればご教示いただけますと訂正できますので助かります。
すべての楽器の音色が時代と楽曲にあっていて素晴らしくて驚かされたのですが
なかでもティンパニーの音色が特筆で印象に残りました。
なにか歪のあるような渾然とした音ですが美しい響きです。
調整が難しいようで打楽器の方は終始楽器を調整されていましたが、
初めて聴く音はとにかく鮮烈でした。
休憩時に近くで見ると、ティンパニを近くで見るのは初めてなので驚きました。
胴は銅の細かい打ち出しと鋳物の金具出来ているようです。ボルトもよーく見る
と一体で出来ているようですし
丸いフレームも鍛造で細かな歪が美しいです。触ってみたい衝動にかられまし
た。
演奏が終わってとても充実した気持ちにさせられました。
演奏会のDVDもクラウドファンディングの景品で製作するようですので、もう一
度見るのが楽しみです。
2017年5月7日